ルチ・フォナ外伝 第2話「族長が夢に出てきた話」
ネラ・バナウ、ジノ! メル、デナ・マルホ、ヨマ・テーネ、チエルム・ヒルチヒキ!
……と言われたところで、ヒルチヒキ族を含めたピョルカハイム保護区諸部族の言語体系を知らないとさっぱりわからないと思うので、いわゆる標準語に翻訳しよう。どういうわけかわからないけど、夢の中にヒルチヒキ族の族長が出てきた。
ヒルチヒキ族は部族全体を統括する族長、その下に集落の長である首長、その下に儀式をつかさどる祭祀、その下に戦士たちと、戦いには赴かないけど色んな仕事をする一般ヒルチヒキ族がいる。族長は私の暮らす集落とは違う集落にいるはずなので、すぐに夢だと気付いたけれど、もしかしたら精霊の力を使ってなにか伝えに来ているのかもしれない。
私は姿勢を正して挨拶代わりに獣の牙と爪を手渡し、かなりの高齢なくせに顔付きに力強さと威厳を保つ族長と向かい合った。
「ルチ・フォナよ、偉大なるヒルチヒキ族に生まれた娘よ。今からお前に幾つかの問いを投げかける、周りや私の顔色を伺うことはない。正直に答えなさい」
「わかった」
「そこは敬語を使って欲しいところだが、まあよい。ではまず最初の問いを投げよう」
族長は静かに息を吐き出して、1拍2拍ほどの間を置いて言葉を発した。
「最初の問いだ。精霊への感謝を捧げる時、どの精霊から生贄を捧げる?」
火の精霊(火属性)
水の精霊(水属性)
▷土の精霊(土属性)
風の精霊(風属性)
雷の精霊(雷属性)
どの精霊も偉大で感謝を捧げるべきだ。しかしあえて最初に生贄を捧げるとするならば、それは大地に対してだ。私を含むヒルチヒキ族を育んできた大地、この大地に宿る土の精霊に感謝の気持ちをを捧げたい。
「なるほど。次にルチよ、お前のことを聞かせてもらいたい。お前はどんな親の元に生まれた?」
戦士の子(腕力+1、槍術E→D)
▷狩人の子(命中+5、弓術E→D)
祭祀の子(魔力+1、魔道E→D)
首長の子(魅力+5、所持金+500)
孤児(守備+1、重装E→D)
もちろん嘘ではない。私の両親は狩人だ、父は槍を片手に獣を三日三晩追いかけ回す執拗な狩人で、母は飛ぶ鳥を射抜く弓の使い手だ。私も母に習って弓をよく練習した。
「お前の現在を聞こう。お前にはどんな才能がある?」
丈夫で健康な体(HP+2)
▷遠くを見渡す目(命中+3)
誰よりも速い足(回避+3)
鋭い野生の勘(スキル:アイテム発見移動)
金儲けの知恵(所持金+400)
いうまでもない母譲りの目だ。誰よりも遠くまで見渡せて、素早く飛ぶ猛禽の隙も見逃さない。健康といえば健康だし、足も速いといえば速いけど、才能というなら目だと思う。
「お前の象徴となるトーテムを選ぶのだ。さあ、どれにする?」
▷コヨーテ(回避・必殺+2)
イヌワシ(命中・幸運+2)
サソリ(スキル:毒攻撃)
カメ(HP+3)
バッファロー(腕力+1)
コヨーテだ。なぜならコヨーテはかわいい上に狩りも上手いからだ。それに私は幼い頃、集落で飼っていたコヨーテとよく遊んだ。幼き頃の体験は後々のそいつそのものを形作るともいう。ならば私の象徴はコヨーテといえよう。
「お前に家が与えられたとする。どこを住み家とする?」
太陽の照らす草原(魅力+2)
外敵の居ない岩場(幸運+2)
交易の盛んな街道(所持金+300)
▷水に困らない川べり(スキル:魚釣り)
集落の中に建てる(回避+2)
実は私は魚釣りが趣味なのだ。人間の皮を剥ぐのも得意だけど、あれは精霊への感謝。純粋な趣味となると魚釣り、魚を釣っている時は心穏やかに過ごせるのだ。それに魚は美味しい。水だって大事だ。住み家を選ぶなら川べり一択だ。
「お前の目の前に傷ついた獣の子が現れた。お前ならどうする?」
手当をして飼い慣らす(回復技能E→D)
見ないふりをして逃す(命中・回避+1)
▷これ幸いにと捕まえる(命中・必殺+1)
狩りの下手な友に譲る(幸運・魅力+1)
獣の親を狩る罠に使う(必殺・幸運+1)
弱肉強食は自然の摂理だ。弱った得物を見逃したとしても別の狩人が獲ってしまうだろう。ならば私の手で捕えて、私たちの糧となってもらいたい。もちろん捕まえるに決まっている。
「村で外敵との戦いが起きた。お前はどう戦う?」
▷戦いの武器を探す(装備品:ルェドリア銃、銃砲E→D)
慎重に作戦を立案(魔防+1、必殺-5)
防御柵を建築する(守備+1、命中-5)
村の外に身を隠す(魔力+1、魅力-5)
本能のままに戦う(腕力+1、幸運-5)
戦士としてまだ未熟な私には、なるべく強い武器が必要だ。戦いの際にはまず武器を用意する。先日もドワーフのキャラバンから虎の子の銃を手に入れた。
「戦いに無事勝利した時、お前は仲間になんと呼びかける?」
ねぎらいの言葉をかける(魅力+4)
▷生贄を捧げて勝利を祝う(腕力+1)
戦いの空虚と悲惨を説く(守備+1)
何も言わずに治療を行う(アイテム:ポーション)
一緒に次の戦いに備える(所持金+200)
仲間をねぎらうのも傷を治すのも、次の戦いに備えるのも必要だけど、私はヒルチヒキ族なので精霊への感謝を捧げたい。倒した人間の皮を剥いで、火を起こし、その周りを歌と踊りで囲んで、大々的な感謝の宴を催したい。すべてはそれからだ。
「反対に戦いに敗れたとする。何が原因だと思う?」
自分の力が足りなかった(腕力+1)
武器や防具が少なかった(所持金+400)
▷戦い抜く体力がなかった(HP+3)
戦う場所がよくなかった(装備品:革の盾)
単純に運が悪かっただけ(幸運+3)
戦いに必要なのは、どんな苦境でも劣勢でも戦いに続ける体力だ。もし敗北するとしたら、我々の体力が足りなかった。もちろんそれだけではないのはわかっているけど、まず体力不足だった。私はそう思う。
「お前が首長に選ばれるとする。長になるために必要なものはなんだと考える?」
困難に立ち向かう勇気(HP+3・守備+1)
▷どんな敵も退ける武力(腕力+1、命中+3)
他者を出し抜ける知恵(魔力+1、回避+3)
弱き者を支える優しさ(幸運・魅力+3)
他部族と支え合う努力(魔防+1、魅力+3)
もちろん強さだ。集落を率いる首長が弱くてどうする。1に強さ、2に強さ、3も4も5も強さだ。だいたいの物事は強さがあってこそ、首長に最も必要なのは強さだ。
「最後にお前の未来を問おう。お前はどんな未来を望む?」
勇敢な戦士(初期クラス:ヒルチスピアー)
▷優れた狩人(初期クラス:ヒルチハンター)
知恵のある祭祀(初期クラス:ヒルチシャーマン)
集落の守り手(初期クラス:ヒルチシールド)
このままでいい(初期クラス:未開放)
もちろん狩人になりたい。戦士も祭祀も守り手も素晴らしい仕事だけど、私はなるべく狩りに参加していたい。いつかは集落で一番の、いや部族一の狩人になってみせる。というわけで優れた狩人になる未来を望む。
「……なるほど、お前のことが少しわかった気がする。まあなんだ、これからもその調子で精進しなさい。ゆめゆめ油断とうぬぼれはしないように」
「わかった」
「そこは敬語がよかったんだが、まあよい。お邪魔したね」
そう言って族長は咳ばらいをひとつしてみせると、煙のように姿を消した。
一体なんだったんだ? よくわからないけど、嘘は言ってないし怒られることはないと思う。
そう勝手に己を納得させて、寝ぼけた頭を床に転がしながら、そのまま二度寝に突入したのであった。
▶▶▶「ウミガメのようなスープを食べる話」
≪加入ユニット紹介≫
ルチ・フォナ
種 族:ヒルチヒキ族(女、17歳、属性:土)
体 格:157cm、48kg
クラス:ヒルチハンター(レベル1)
移 動:4↑3↓4(山岳)
HP 腕力 魔力 守備 魔防 命中 回避 必殺 幸運 魅力
現在値 22 11 2 1 2 22 12 23 1 6
職補正 2 5 5 5
装補正 5
成長率 40 40 30 20 25 55 40 35 10 30
【スキル】
【個人】部族の血筋(マップ上の味方部族の数だけ腕力上昇、最大+5)
【種族】精霊の祈り(戦闘不能にした時にHPを20%回復する)
【兵種】血の祈り(攻撃を命中させるごとに命中+3%、最大+30%)
【習得】魚釣り(河川で待機時に魚、アイテムを入手)
【??】
【??】
【技能】
短剣:E 剣術:E 槍術:E 斧鎚:E 鞭術:E 弓術:D 銃砲:D
体術:E 探索:D 魔道:E 回復:E 重装:E 馬術:E 学術:D
【装備】
ルェドリア銃 威力16(5+11)
狩人の弓 威力13(2+11)
白の染料 必殺+5
【所持品(3)】
●●の干し肉×1